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気管支喘息の治療は15年ぐらい前から大きく変化してきました。それまでは各医師が自分独特の方法で治療していました。使える薬も限られていました。テオフィリン、交感神経刺激剤、ステロイドホルモン、漢方薬、抗ヒスタミン薬などです。
つまり、通院する医院や病院によって治療法がバラバラでした。それが、イギリスやアメリカやカナダなどで標準的治療指針(以下ガイドライン)が作られるようになりました。もちろん日本でも作られました。今も何度か改訂されてより使いやすい物になってきました。
そして、どこの国でも第一に選択すべき薬として、ステロイドホルモンの吸入になっています。ステロイドと聞くだけで嫌なイメージを持つ方が多いかも知れません。特に医療関係者は嫌がります。膠原病やネフローゼ症候群でステロイドを大量に長期間投与されたらどんな副作用が出るか知っているからです。今でも、重症の喘息の方は大量ではないですが内服のステロイドでないと効果のない方がいます。でも少量でも長期(3ヶ月以上)投与すると副作用が出てきます。
しかし、吸入のステロイドは特殊です。気管支の粘膜ではステロイドとして働きます。しかし、血液に吸収されていったん肝臓を通過するとステロイドではなくなります。つまり全身性の副作用が出にくいのです。妊婦さんや授乳中の人でもやめる必要はないと言われています。
もちろん小児でもこのステロイドの吸入が第一選択です。現在4〜5種類の吸入ステロイドがあります。喘息といわれて、この吸入ステロイドが処方されないのは、よほど軽症なのか、その医師が勉強不足と考えていいでしょう。
吸入ステロイドは長期の予防薬です。決まった時間が来たらいわれた量を吸入しましょう。症状が出てから吸入する物ではないのです。
吸入ステロイド以外の治療薬は、交換神経刺激薬の長時間作用型のものが安全で吸入や貼り薬があります。まもなく吸入ステロイドと長時間作用型の交感神経刺激剤の混ざった吸入薬が発売されます。だんだん便利になっています。
他に、抗アレルギー剤が大変進歩して今ロイコトリエン拮抗薬が3種類出ていてこれは今までの抗アレルギー剤と違って、かなり著明に効果がでます。しかし妊娠している方や、これから妊娠しようとする方には処方してはいけない薬です。安全性が確認されていません。しかし小児には使えるのです。ですから、次のように処方されていることが多いでしょう。
軽症:ステロイド吸入少量+テオフィリンorロイコトリエン拮抗剤
中等症:ステロイド吸入中等量+テオフィリンorロイコトリエン機構剤+長時間作用型交感神経刺激剤
重症:ステロイド吸入大量+テオフィリンorロイコトリエン機構剤+長時間作用型交感神経刺激剤+内服のステロイド
特殊な喘息
運動誘発喘息:これは運動後に喘鳴や咳が出現しひどいときは呼吸困難も出現します。水泳は大丈夫みたいです。
アスピリン喘息:これは成人の気管支喘息患者の約10〜15%に出現するといわれていますが、アスピリン、ボルタレン、ロキソニンなどの酸性の非ステロイド性消炎鎮痛剤の服用後1〜2時間後に鼻水などを伴い喘鳴が出現することです。時にはひどい発作になり死亡することもあります。30歳〜40歳代で出現しやすく、鼻炎や副鼻腔炎や鼻たけのある方は頻度が高いです。ですから、喘息のある成人は安易に風邪薬(ベンザ・ルル・カイゲンなど)をのんではいけないのです。また整形外科や歯科で痛み止めをもらうときには必ず「私は気管支喘息の治療中です」と言って下さい。
月経喘息:女性はちょうど月経の時に血中のコルチゾールというステロイドが低下することがわかっています。ですから、この時期だけ吸入のステロイドをいるもの倍まで増量するのがいいかも知れません。私はそのように指導しています。
アルコール誘発喘息:近年かなり多いことがわかっています。普段は何ともないがビールなど飲むと咳がひどく出たり、喘鳴が出たりします。アルコールを避けるしかありません。
咳喘息:咳が何週間も続くような風邪はありません。それは別の原因です。たとえば高血圧の薬の副作用とか、逆流性食道炎があるとか(胸焼けを伴うことが多い)、アレルギーによる咳の場合もありますが、特に夜間や早朝に咳が多い方はこの咳喘息を疑われます。これは喘息の治療で咳が消失しますからわかります。
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